▼遺言は、民法で遺言ができる事項と厳格な方式が決められている。
相続させる人、遺贈、子供の認知、遺言執行者の指定、相続分の指定など
▼遺産を誰に譲るかを遺言すること、相続人・受遺者はそれに従って遺産を承継できる。相続人は遺産分割協議をする必要がない。
遺言内容に不満な遺留分権利者(配偶者・子・親)は遺留分減殺請求をするしかない。
▼.遺言は、15歳以上であればすることができるが、遺言をするときに遺言をする能力(判断能力)がなければならない。
▼遺言の方式には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言がある。
録音・録画による遺言は無効
▼遺贈とは
遺言で相続人を問わずに財産を贈ること。法人にもできる(民法964)
種類 |
概要 |
自筆証書遺言 |
自筆証書遺言とは、遺言をしようとする者が「自筆」で、「全文・日付及び氏名」を書き、署名押印する、3種類ある普通方式の遺言書の中で、もっとも一般的で、もっとも多く利用されている遺言書のことです。 |
公正証書遺言 |
公正証書遺言とは、証人2人以上の立会いのもと、公証人が遺言者から遺言の口述をもとに遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人(公証役場)が保管する、3種類ある普通方式の遺言書の中で、もっとも安全性が高いといわれている遺言書のことです。 |
秘密証書遺言 |
秘密証書遺言とは、遺言の内容を誰にも知られたくない時に作成する遺言書のことで、遺言書の作成形式は自筆証書遺言とあまり変わりませんが、秘密証書遺言はパソコン、ワープロ等で内容を書いても良いこととなっています。 |
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
メリット |
①簡単に作成できる ③費用面 |
①専門家である公証人が作成 ②検認手続きが不要 ③保管が確実で安全、滅失、隠匿、偽造、変造の恐れがない |
デメリット |
①遺言書を紛失したり、発見 できない可能性もある。 ②第3者により変造・偽造されるおそれがある。 ③発見後、家庭裁判所の検認(※注)の手続きが必要 ④民法が規定する遺言事項・様式を遵守しないと無効 |
①作成のために手間と費用がかかる ②2人以上の証人が必要 ③証人には遺言の内容を知られてしまう |
▼被相続人は自分の財産を自由に処分することができます。これは、被相続人が有する本来の権利です。したがって、全財産を誰か自分の相続人以外の人に生前贈与や遺贈によって与えることもできます。
しかし、相続制度は遺族の生活保障などを目的にしているものであり、財産の処分が自由にされることによって遺族の生活が脅かされる恐れがあることから、被相続人の財産処分の自由と相続人の保護の調和を図るため、一定割合の相続財産を相続人(一定範囲)に留保することが規定されています。
▼遺留分減殺請求権
被相続人が自分の財産を遺贈などによって有効に処分したもののうち、一定割合を取り戻すことができる権利です。
▼遺留分権利者と割合
配偶者・直系卑属(子、孫)・直系尊属(親、祖父母など)
①直系尊属のみが相続人となるとき :被相続人財産の1/3
②その他の場合 :被相続人財産の1/2
例1)配偶者と子2人
配偶者:1/4(遺留分1/2×法定相続1/2) 子;1/8(遺留分1/2×子の相続1/2×1/2)
例2)配偶者と父母
配偶者:1/3(遺留分1/2×法定相続2/3) 父母;1/12(遺留分1/2×父の相続1/3×1/2)